Appreciation

次の秋から遠い土地へ行くということがぼくに何も思い起こさせない、と言ったら、それはきっと嘘になる。手遅れになる前にこの土地の郷愁を詰め込まなければと思うけど、何をしていいのかわからないまま、何を求めているかもわからないまま、ただ秋が近付い…

The distinction

なにか書かなきゃという未知の力によってキーボードを打っているけど、ついぞ喋る言葉が見つからない。年が明けてから沈黙を増やすことが多くなった。適切なことを適切な人に適切な方法で語るということを考えている。意識のリソースが限りなく小さい人間に…

それはだれのための涙

よくわからないけどとりあえず呼吸のしやすいようにやっていく、ということができないままでいた。詩は詩でなくてはならないし、物語は物語でなければならなくて、こうしたほうがいいよってことがだんだん義務になっていって、それが本当に正しいのか疑う回…

がらくた状の反証

なにかを言葉で理屈付けて説明しなきゃそれは在っちゃいけないんだよなんて誰が言ったの。世の中にはことばが蔓延していて、ストレスがよくないだとか、決まりは守らなきゃいけないだとか、本を読んだ方がいいよだとか、運動した方がいいよだとか、これはか…

苦痛の所在

「誰かぼくをぼくが平均になる世界に連れて行ってよ」ぼくは最近誉められること、というよりはもう肯定されることにすら苦痛を覚えてしまうようになって、別にぼくだって何ができるわけでもない、人よりほんのすこしだけ器用で語彙が豊富で、世渡りが上手な…

塗布したメッキ

ぼくは自分が何かをやりたいということを知らないふりして生きてきて、それはそれで楽しかったし楽だったし幸せだったけど、言いようのない苦しさだけがただひたすらに悩みの種だった。口先だけがつらつらと滑って、「好きなことを好きなようにやればいい」…

楽ということの毒性。特殊であることの悪性。

ぼくが満足に生きる上で必要としているのが「絶えず考え続ける」ということで、だからきっと正しさを求めているわけじゃない。正しさに頼ることは簡単で労力が要らない、すごく楽なことであって、とても魅力的ではあるけど、それを続けていたらぼくは息がで…

ぼくの恋愛観について。

ぼくの恋愛観について。ぼくは言ってしまうなら恋人はいらないと思っているし、ひとりで世界を楽しむことができるならそれでいいと思っている。たとえば誰かと一緒に生きたらそれはそれで2倍、3倍の楽しさがあるだろう、でもぼくは人と親密に、長く付き合っ…

光る双眸

ぼくが夢見ていたあの星には、もう永遠に手が届かないのかしら当然のような顔をして薄氷の上を歩く真っ直ぐ前を見つめて力強く足下を踏みしめる氷が割れることはないその裏にあるものを、ぼくは見て見ぬふりで殺しているきちんと息ができなくなるようにてい…

明くる日

吐く息がしろく染まってもそれは世界が一周したことの理由にならない地平線の向こうが見たかったぼくの思う、理想の向こうを見たかった ごとり、と音を立ててぼくの頭蓋は朝焼けを見る崩壊した世界を映すその眼は捉えきれない黒だったその内側に詰まる胎児の…

生の意義

内省できる言葉を持っていない、ぼくはいつからか無くしてしまった。しばらくブログに触っていなかったのは、まさにそうだったから。 でも、だからこそ無理矢理にでも言葉を吐き出すことにしたのだ。そうしないとぼくは死んでしまうような気さえしたから。 …

構造か、果たして様相か

その全てが自らの自己責任であり、一種の自傷であるのだと、ぼくは本当は知っていた。自分を罰さねば生きてゆけないなんてきれいな言葉で収まってしまえればいいのにね、そうしたら、ぼくなんてそれに満足してあっという間に終わってしまう。 そうして物語は…

愛するものへの懺悔

ただひたすらに、全てのものが懐かしいと思う。 時は存在しなくて、ぼくらの内にはただただ感情や自己の変化のみが存在している。だからこれは普段ないような感情の―自己のものの感じ方の―変化なのだろう。もう取り戻せない愛おしさ。決別した相手と「楽しか…

正しさの踏み躙られ方

ぼくにとって、たとえばある日突然母親が息絶えてしまうことの理不尽さと、社会において正しさという概念が通用しないことの理不尽さは、全く同等である。程度問題というのはその大抵が個人の価値観に依存するものだと思うし、そこに折り合いこそあれど絶対…

ぼくの未熟さについて

ぼくは至ってまだまだ未熟なのだ、と思う。湧き上がる怒りも、理不尽に対する正論の言葉も、ぼくが未熟だからこそ考えて、また感じてしまうのだと。そう考えた時、ぼくはどうしようもなく悲しくなる。怒りを感じるぼくに悲しみを憶える。だって、その姿は本…

泣きたいような愛の正体

ぼくは、思っているほども、思われているほども、これっぽっちだって強くはない。いつだって耐え難い悲しみや絶望や、もしくはあふれるほどの愛おしさに支配されている。ぼくの世界はいつだってその相貌を容易に変える、おそらくどうやっても完璧には表せら…

隔離空間の所在

優しく奏でられるようなやわらかな言葉の不在ぼくの舌に生い茂る棘さえも何も語らない時の狭間だ声をかけられて振り向いたら誰も居なかったと思ったのは一瞬のことだったかぼくらはいつに生きているかあの真白い空間はその住所は、ぼくに知ることができない…

世界組成

虹色の薄氷の張った川をぼくはそっと踏んで歩く踏んで歩く鮮やかな世界がぼくの目の前で散ってはじけた粉々になった破片は、肩や喉に刺さるそうして降りつもるぼくの色彩は変わらない殆ど永遠に暮れては昇る月を優しいものを見たい何よりも愛していて惜しみ…

倫理と論理、その果て

ぼくは倫理に逆らい得なかったその果ての姿だ。世界に納得がゆかなくて、じゃあぼくは客観的な正当性を得ればいいと思ったんだ。それはもう、考える道筋として至極単純にね。論理的に考えればいい。世界は整合しているはずで、なにかひとつの絶対的なものが…

永久の氷海

優しい色をした雪なんて食べる気になれない溜息だけをひとつ吐いて残らず溶かしてしまいたい時が流れない川の上を歩いて「ひとりになってしまったねえ」ときみは言うかい途端に森から影が伸びてきてきみを攫ってしまうことも知らないままにぼくがきみの居な…

ある午後におけるぼくの中身

ぼくはメタ認知が得意だ。いや、精確に言うならば、メタ認知が得意だというよりはそれでしか物事を捉え考えていないということになろうが。ぼくはどこまでもメタ認知によって問題の外側へ外側へと歩み続け、その結果として終には主観の外側へ辿りついてしま…

知性は罪だと提唱する知性

ねえ君、好きなことをしているからと言って、それが頑張っていないということの証明になるかい。ねえ、君、仕方がないから、自分のせいだからと言って、それが君自身を潰してよいという理由に、果たしてなるだろうか。ねえ、お願いだから、どうか、ゆっくり…

思う、世界

愛するものがたくさんあってどうしたらいいのかわからなくなる。すべてが愛おしいのにすべてを愛するのは難しくて泣きそうになる。なにもかもが優しくてぼくはなにもかもに優しくしたいのによくその通りにはならなくて悲しくなる。世界はとても優しくてぼく…

たとえば、神は何故、自殺をしないのか。

ぼくだったらもうとうの昔に死んでいる、自分が全知全能であると悟ったその日から三日後くらいには、きっと、もう、世界とともに死を選んでいる。神は何故、自殺をしないのか。 知っている。彼らの言う"神"はそんなにちゃちなものではないということを。人類…

きれいに錯乱の色で埋め尽くされたぼくの視界

ぼくは、精神を狂わせて、その意識を仮象の奥底に沈めなければこの世界で生きてなどゆけなかった――ゆけない、のだ。だから、きっと常に狂っている。こうしてぼくが今現在詭弁を弄しているという事態こそが、その事実を証明している。二重に狂っていると言っ…

必要不可欠なぼくらの空洞

ぼくは消え入りそうなこの中身を持たない空虚な言葉でぼくの空洞を満たす満たさなくてもいいことと決して満たされないことを知りながらぼくはさながら道化のように空洞を埋めてゆく空虚の中にそうして空虚が積み上がりそれでもぼくの口の端は言葉を紡ぎ続け…

解釈が積み上がること、そしてその愉悦

新しいことを知るのは面白い。たとえばそれが生を惜しむ理由にならないとしても。いろいろな本を読み、いろいろな人の話や講義を聞く。そうするとぼくの中に、その話す当人の視点や思考法、つまりその人なりの世界の解釈を仕舞ったひとつの抽斗ができる。そ…

たとえば、その痛みから逃れるなら

死を孕む激情が、ああ!どうかぼくを蝕みませんように、あなたを抱いて眠るぼくの右腕にただそれとわかる焼印だけを残してそうしていつでもぼくに寄り添っていますようにこの炎が、いつまでも絶えることのないようにぼくはその身を焼き尽くすのですあふれる…

世界の解釈

迸る感情が、表出を求めてぼくの内側を喰い破ろうとする。何への愛だろうか。そもそもの彼への愛か、知への愛か、優しさへの愛か、柔らかさへの愛か、それとも愛への愛か。強烈な行き場のない感情はどうしようもない文章になって、小さな世界をひとつ創り上…

ぼくらの愛のしくみ

ぼくの周りのひとたちはやさしい話を愛していて、ぼくはそれに時折、少しだけがっかりする。なぜやさしいものを愛するのか、なぜあたたかいものを愛するのか。もしくは、なぜひたすらに愛することができるのか。ぼくらは人間を愛せてしまうと百の口が揃って…