2016-05-13 ぼくらの愛のしくみ ぼくの周りのひとたちはやさしい話を愛していて、ぼくはそれに時折、少しだけがっかりする。なぜやさしいものを愛するのか、なぜあたたかいものを愛するのか。もしくは、なぜひたすらに愛することができるのか。ぼくらは人間を愛せてしまうと百の口が揃って言うのに、ではなぜ、ひどくやさしいものを愛するのだろうか。「それが心地いいのだ」と、まるで決まりきった仕草で振る舞う道化のように。(橘優佳)