隔離空間の所在

優しく奏でられるような
やわらかな言葉の不在
ぼくの舌に生い茂る棘さえも
何も語らない時の狭間だ

声をかけられて
振り向いたら誰も居なかったと思ったのは
一瞬のことだったか
ぼくらはいつに生きているか
あの真白い空間は
その住所は、
ぼくに知ることができないものか
リノリウムの床にこぼれた言葉は
世界に解されないまま、
きっとどこまでも存在している

髪をさらう風は
ぼくの知らないところへゆくだろう
あるいは
広がる青空は
ぼくの知らないところにあるだろう
その下で
めを閉じ
息を吸う
なにも見えなくなる


ここは
果たしてどこに
存在しているだろうか