明くる日

 

吐く息がしろく染まっても
それは世界が一周したことの理由にならない
地平線の向こうが見たかった
ぼくの思う、理想の向こうを見たかった

 

ごとり、と音を立てて
ぼくの頭蓋は朝焼けを見る
崩壊した世界を映すその眼は
捉えきれない黒だった
その内側に詰まる胎児の記憶を
彼はきっといつまでも大切にする
そうやって、

いつまでも海に行こうとする
埋め合わせをしようとして、
真黒に染まった手を
きれいな星空に翳して
彼は、
いつだって朝焼けしか見ることが出来ない
堕ちたって誰にもなれない

 

行き続ける時が、
ほんの気まぐれでかつてを目指す
その先にあるのは
愛おしいぼくらの亡骸
太陽が死んだその欠片
すべてを知りたい双眸が
地平線の向こうで微かに笑うのを
君は確かに
この目で見たんだ