2017-01-01から1年間の記事一覧

苦痛の所在

「誰かぼくをぼくが平均になる世界に連れて行ってよ」ぼくは最近誉められること、というよりはもう肯定されることにすら苦痛を覚えてしまうようになって、別にぼくだって何ができるわけでもない、人よりほんのすこしだけ器用で語彙が豊富で、世渡りが上手な…

塗布したメッキ

ぼくは自分が何かをやりたいということを知らないふりして生きてきて、それはそれで楽しかったし楽だったし幸せだったけど、言いようのない苦しさだけがただひたすらに悩みの種だった。口先だけがつらつらと滑って、「好きなことを好きなようにやればいい」…

楽ということの毒性。特殊であることの悪性。

ぼくが満足に生きる上で必要としているのが「絶えず考え続ける」ということで、だからきっと正しさを求めているわけじゃない。正しさに頼ることは簡単で労力が要らない、すごく楽なことであって、とても魅力的ではあるけど、それを続けていたらぼくは息がで…

ぼくの恋愛観について。

ぼくの恋愛観について。ぼくは言ってしまうなら恋人はいらないと思っているし、ひとりで世界を楽しむことができるならそれでいいと思っている。たとえば誰かと一緒に生きたらそれはそれで2倍、3倍の楽しさがあるだろう、でもぼくは人と親密に、長く付き合っ…

光る双眸

ぼくが夢見ていたあの星には、もう永遠に手が届かないのかしら当然のような顔をして薄氷の上を歩く真っ直ぐ前を見つめて力強く足下を踏みしめる氷が割れることはないその裏にあるものを、ぼくは見て見ぬふりで殺しているきちんと息ができなくなるようにてい…