世界組成


虹色の
薄氷の張った川を
ぼくはそっと踏んで歩く
踏んで歩く

鮮やかな世界が
ぼくの目の前で散ってはじけた
粉々になった破片は、
肩や喉に刺さる
そうして降りつもる
ぼくの色彩は変わらない
殆ど永遠に

暮れては昇る月を
優しいものを見たい
何よりも愛していて
惜しみなく好きだと言えるようなものだ
いくら言葉を尽くしたとしても
なにも言っていないのと同じくなるようなものだ

ぼくの体組成は
半分がきっと悲しみでできている